持続可能な香りの革新「イリューソリー」

スポンジが生み出す、新たなアロマセラピー体験

デザイナーであるJingyi MiaoとHu Zouは、スポンジの柔軟性と多孔性を活かしたアロマセラピー・ディフューザーを創出しました。通常、製品の保護材として使われるスポンジを、製品自体として再定義することで、持続可能な開発の概念に沿ったデザインを実現しています。このディフューザーでは、香りの液体をスポンジの表面にスプレーすることで、香りが均一に広がり、長持ちする香りを楽しむことができます。

製造過程は効率的で、コスト削減とエネルギー節約を実現。ナイフモールドを用いてスポンジ原料をプレスするシンプルなプロセスにより、高い生産効率を誇ります。また、このデザインにはBONDED FOAM（リサイクルスポンジ）が主材料として選ばれており、環境に優しく、耐老化性と高い圧縮強度を持っています。

製品の外装は半透明のフロスティングデザインを採用し、ユーザーは香水瓶のように内部製品の形をぼんやりと見ることができます。これにより、デザイン全体の美しさと革新性をより良く表現することが可能になりました。

輸送中は、スポンジディフューザーが香りのボトルを保護する包装材として機能します。製品を受け取った後、ユーザーは包装材（スポンジディフューザー）を取り出し、香りの液体をスプレーして使用します。スポンジの多孔性により、香りは表面に均一に付着し、長時間にわたって香りを放ち続けます。

このプロジェクトは、2022年7月に始まり、2023年4月に中国広州で完成しました。そして、2023年6月に広州美術学院の美術館で展示されました。デザインの研究では、毎年最大90％の包装材が廃棄されることが明らかになり、この無駄を減らすための新しい環境に優しいアプローチを提案しています。